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海外にはたくさんのチャンスがあるのか

「海外にはたくさんのチャンスがある」

あらゆる媒体、あらゆるスピーカーが大きな声で叫んでいるのをよく耳にする。海外にチャンスはあるかというとチャンスがあるのは事実だが、いずれにせよたくさんの予算がかかることが多い。

特にアジアでは今後の成長が期待されるからすぐにでも起業をなどと言われているが、お金がなければ日本以上に厳しい。例えば、発展途上国ではお金がもともとない国であるが故に、お金になる有益な話をつけたところで、誰も相手にしない。お金がある状態で初めて対等にビジネスの話ができるのである。故に個人が単身で行ったところでどうにもならないのがオチである。一方で、また少額で起業できるものも事実である。賃金の安い国では店舗を構えるのも小資本でできるし、内装を作ることも安値で可能は可能ではある。
では、小資本で立ち上げた飲食店をはじめとするあらゆるサービス業の立ち上げ後について、少し事例を交えながら説明していきたいと思う。

 

私の知人でミャンマーで飲食店を立ち上げたAさんの場合。

Aさんはミャンマーで見るベンツなどをはじめとする高級車がたくさん走っていることに驚き、早々とこの国で何かを始めたいとすぐに行動に出た。何かを始めるのは、いろいろなものが安く、また一方でたくさんの富裕層がいて、低資本で始められ、高単価な顧客を集めることができる非常に盲点を突いたとこで開業することに意気揚々としていた。
開業までの資金は300万円ほどで済んだそうだ。一ヶ月の家賃はなんと4万円。備品はもともと安い現地備品で用意しつつ内装は自力で作っていく。おしゃれの概念がないこの国では自分でやったほうがおしゃれになると踏んでいた。20坪程度の客席には、10テーブル作れる計算だ。市場調査もバッチリだ。数少ない日本食料理店の客単価は2000円と日本よりもリーズナブルな金額に設定した。繁盛店を作ればディナー3回転、ランチ1.5回転と言われているが、アジアでの挑戦であるAさんは低く見積もって1日通じて、1.5回転として計算した。食材費と人件費(人件費は安い!!)を総称してFLコストと言うのだが、それらを差し引いて家賃を引いても、経費その他もろもろ多めに入れても一ヶ月あたり100万円も手にできる計算だ。

内装ができるあがるに連れて、実感がふつふつと湧いていきAさんのテンションもマックス。オープン準備前には、ミャンマーで生活している日本人や、お世話になったミャンマー人の周り、家族などにもどんどん告知していった。以外とよかったのはfacebookアカウントだ。なんと事前に告知していっただけで2000いいね!をもらった。この国でもやはり日本食が人気なのか、予想以上に強い手応えを感じていた。

そして、いよいよオープン日。仲良くなった現地の人や、日本人を始めたくさんの人が足を運んできてくれ、店は大繁盛。味も美味しいとお会計の時に添えて支払ってくれる。Aさんはこの店の成功を確信し始めていた。

ところが・・・・

その翌日の入客は3組のみ。少し不安に感じたものの、初日の反動だろうとあまり気にせずいた。しかし、その翌日になっても更にその翌日になっても芳しくない。一番入っている時でも0.5回転ほどしかしないのである。街にはたくさんの人が通っているのにもかかわらず・・・である。

 

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(潰れそうな日本食レストラン)

 

Aさんは発展途上国の文化をそもそも間違っていたのである。単価が2500円というのは非常に高い単価であり、ローカル店の10倍の値付けである。通貨の弱い国のほとんどでは外食をするという文化そのものもがないためそもそも、外食が日本ほど一般的ではないのである。もちろん、貧富格差が激しい国であるから富裕層の数は日本以上に多く感じるのに、なぜ彼らは来てくれないのだろうか?たったの一度すらきてくれる気配がない。富裕層の彼らは、決まったネットワークでつながっておりそのつながりの中で招待された店でしか行かないのである。ここが一番問題なポイントである。富裕層というのはもともと政府関係者であることがほとんどであるし、彼らの親族などがそれぞれ留学に行っていた経験などをもとに飲食店を出しているのである。もっぱら、文化が根付いていない飲食店にあなたは食事をしにいくだろうか?例えば、あなたはレバノンの料理店に行ったことがあるだろうか?ほとんどの人はないのである。無知な国の無知な料理を食べる習慣がないのである。普段なじみのな料理は何度も行こうと思わない。また、現地に住んでいる日本人の数はどうだろうか?2000人ほどいると言われている日本人のほとんどは現地採用者だ。現地採用者は日本に住むよりも生活が豊かになるということで、その国に住んでいるが、日本ほど給料をもらえているわけではない。故に日本よりも安いと言われても、足繁く日本料理店に通うということは滅多にない。日本食は家で自分で調理して食べるもの。また、外食するときは接待で使うので現地の人に合わせた料理店に行くことがほとんどである。
確かに幾つかの日本料理店では日本人で賑わっている。しかし、数日間見てみてほしい。店にいっぱいになっている日本人客のほとんどは店長と長い付き合いの友人であったりして、夜の待ち合わせ場所になっているケースが多い。事実、毎回同じ顔ぶれである。数千人も日本人がいるのにもかかわらず・・・・・である。

現地人である人の文化的背景、現地で働く日本人の金銭的背景、感覚的背景までを読み取っていなかったのである。純粋な飲食店需要を見誤っていたのである。

このように発展途上国では、お金がまだまだ回っていない底賃金の家庭がほとんであり、高級取りな人たちは数が多くても”特殊”であるし、そもそも日本人の数が多かったとしても現地日本人は日本に生活する日本人以上の生活は苦しいのである。同じようにどのビジネスでも経済自体がまだまだ安いお金で回っているからだ。

高級車がたくさん出回っているカンボジアで起業したBさんは日本で流行っているマンガ喫茶を開業した。ここでも家賃が安く、中古マンガをうまく利用してマンガ喫茶を立ち上げようとしたのである。ここも一つ問題があり、マンガを読むにあたって高い値段では利用しない。入場料はジリジリ下げていき、最終的には1時間30円で提供するほどになっていた。家賃を払うのもギリギリだ。そんな中、マンガが破けたりなんやかんやで経費が山積みになり、それらのマンガを追加するも採算が合わなくなっていった。日本の中古ではやりくりすることができなかった単価まで落とさずにはいられなかったのである。しばらくすると、街中では店舗と同じラインナップのマンガのコピーされたA4サイズのマンガが露天で20円で売られていた。通貨の安い国では国が腐敗しており、ありとあらゆる著作権がなく簡単にコピーされてしまう。
ほとんどの情報やサービスというのは、徹底的にその地域の通貨に合わせ値段が落ちていく。彼らの平均給料である月給1万円を稼ぐのでも精一杯なのである。その現地に交わって商売をする日本人を相手にしたところで、儲かるはずがないのである。

 

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(カンボジアの漫画喫茶)

 

低資本でできる理由はありとあらゆるもの、特に賃金が安いから。賃金が安い国だからこそ、そこに合わせた料金でしか提供できないし、そうすれば当然、収入もその国に合わせた賃金になるのである。ならば、今はまだ賃金が高い日本で一生懸命働いたほうがよっぽど割のいい収入になるのである。
Aさんの現状は、現在月収2万円ほど。近隣にさらに安い同業店しかも、日本でチェーン展開している店舗がオープンして不安でいっぱいだそうだ。Bさんの場合は採算を取ることができず閉店している。

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